旭江文庫（大賀寿吉）

　イタリアの詩人ダンテ・アリギエーリ（1265–1321）の研究家、大賀寿吉（おおが　じゅきち、号：旭江　きょっこう、1870–1937）旧蔵のダンテ関係の和・洋書2,617冊が収蔵されている。16世紀以降のダンテの著作およびダンテに関する文献、図書、逐次刊行物、叢書等から構成されており、ダンテに関するものは新聞、雑誌の断片まで集められている。ダンテの長編叙事詩『神曲』は、ヨーロッパ中世の文学、哲学、神学、修辞学などの伝統を総括し、ルネサンス文学のさきがけとなった。
　大賀寿吉は、武田製薬株式会社に勤務するかたわら、早くからダンテに傾倒し、文献の収集と研究に努めた。目録として『Catalogo della Collezione Dantesca donata da Giukici Oga』（1941）が刊行されている。