経済学者の宮島綱男(みやじま つなお、1884–1965)旧蔵の経済学、社会思想関係の和・洋書2,700余冊からなる。アダム・スミス(1723–1790)の『国富論』(1776)の初版本をはじめ、経済学に関する書籍が体系的に収集されており、経済学史、経済思想史、経済政策思想史研究に貴重な資料である。 宮島綱男は1908年早稲田大学商科を卒業し、同大学の在外研究員としてヨーロッパに留学。帰国後、1913~1918年早稲田大学教授として経済学を担当した。1919年関西大学教授に迎えられ、1921年からは専務理事を兼務して教育と共に大学の経営に当たった。1928年関西大学を辞し、その後、国際労働機関の日本資産家側代表顧問としてジュネーブ会議に出席して数年間フランスに滞在した。帰国後は神戸日仏協会会長として日仏文化交流に努め、その功績により晩年フランス政府よりレジョン・ドヌール勲章のコマンドールを授与された。また、イギリス王位経済学会、パリ経済学会、パリ統計学会、アメリカ統計学会会員として国際的に活躍した。1948年再び関西大学に戻り、1952年まで理事長として第二次世界大戦後の困難な時期に学園の復興に尽力した。
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