森田文庫（森田千庵）

　越後国蒲原郡加茂町（現・新潟県加茂市）出身の蘭医、森田千庵（もりた　せんあん、1798–1857）およびその父、森田甫三（もりた　ほさん、1767–1828）の自筆写本と稿本が収蔵されている。和書19冊、洋書5冊からなる。産科や灸などに関する医学書と、オランダ語やラテン語などの辞典から構成されている。
　森田千庵は漢方医の甫三の次男として生まれ、京都の蘭学者藤林普山（ふじばやし　ふざん、1781–1836）、江戸の蘭方医宇田川玄真（うだがわ　げんしん、号：榛斎　しんさい、1769–1834）などのもとで蘭学、医学を学んだ。1826～1827年の長崎遊学中に、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト（1796–1866）に師事したと推測されている。
　本文庫の目録として『森田文庫資料』（1998）が刊行されている。また、図書館ホームページの「新潟大学附属図書館貴重資料データベース」で目録情報と画像が提供されている。