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秋田家史料

 近世陸奥国(現在の福島・宮城・岩手・青森の各県)三春(みはる)藩主秋田家に伝来した古文書・蔵品4,337点からなる。近世史料を中心に、中世末期から近代までの史料が含まれる。
 秋田家は古代陸奥国の俘囚(ふしゅう、律令国家に服属した蝦夷 えみし)の長であった安倍貞任(あべの さだとう、1029–1062)の子孫と伝えられ、もと安藤(または安東)氏と称した。中世には蝦夷管領(えぞかんれい)に任ぜられ、陸奥国津軽十三湊(とさみなと、現・青森県北津軽郡市浦村)を中心に栄え、「奥州十三湊日之本(ひのもと)将軍」と称していた。その後、一族は檜山(ひやま)安藤氏と湊(みなと)安藤氏に分裂し、出羽国(現・山形県と秋田県)に本拠地を移すが、天正年間(1573–1592)の愛季(ちかすえ)のとき、両家が合体し、秋田氏と称した。その子、実季(さねすえ、1576–1659)のとき、豊臣秀吉(1537–1598)から旧領52,404石を安堵され、旧領内に設置された豊臣蔵入地26,245石の代官を命じられた。徳川家康(1542–1616)による大名の国替によって1602年常陸国宍戸(ししど)藩(現・茨城県友部町)5万石に移され、さらに1645年陸奥国三春藩(現・福島県三春町)5万5,000石に移封されて、明治維新を迎えた。明治維新後、子爵となった。
 本集書には織田信長(1534–1582)、豊臣秀吉、徳川家康の書状をはじめとした近世初頭の文書が多く含まれている。特に豊臣家の蔵入地代官を務めたことから、蔵入地経営に関する史料を多く含む。また、材木等の上方輸送の文書群が多数存在し、近世初頭の貴重な海運史料を提供している。目録として『秋田家史料目録』(2001)が刊行され、図書館ホームページに「秋田家史料データベース」が公開されている。なお、秋田家に伝来した古文書・蔵品のうち、古文書は東北大学が購入し、刀剣類などの蔵品は秋田県立博物館に所蔵されている。

<http://www2.library.tohoku.ac.jp/akitake/index.html>

事項:

三春藩、陸奥国; 中世史、日本の; 出羽国、現在の山形県と秋田県; 地方史・地域史; 地方史、日本の; 安倍貞任; 安倍頼時; 宍戸藩、常陸国; 家史; 市浦村、北津軽郡、青森県; 常陸国、現在の茨城県; 徳川家康; 日本の中世史; 日本の地方史; 日本の歴史; 日本の近世史; 檜山安藤氏、出羽国、秋田県; 武家; 歴史、日本の; 歴史、日本中世の; 歴史、日本近世の; 江戸時代; 海運史; 湊安藤氏、出羽国、秋田県; 源義家; 秋田実季; 秋田家(武家)、三春藩、陸奥国、福島県; 秋田愛季; 織田信長; 蝦夷管領; 豊臣秀吉; 近世史、日本の; 郷土史; 陸奥国、現在の福島・宮城・岩手・青森の4県 青森県北津軽郡市浦村

専門分野:

歴史学

所蔵機関:

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