成瀬政男資料

　歯車の研究者で中央職業訓練所（職業能力開発総合大学校の前身）初代校長の成瀬政男（なるせ　まさお、1898–1979）の直筆原稿、講演・論文資料448点からなる。職業訓練、教育論、科学・技術・技能論、ものづくり論、歯車の話、人生・人間形成論、ペスタロッチ論、ドイツ・スイス等諸外国の工業論など広範囲にわたる資料が収蔵されている。
　成瀬政男は千葉県館山市に生まれ、1923年東北帝国大学工学部機械工学科を卒業。同大学講師となり、1931年論文『歯車の歯型に関する研究』で工学博士となった。1935～1938年ドイツ、イギリス、アメリカに留学後、1938年に教授に就任。1961年東北大学を退官後、中央職業訓練所（1965年職業訓練大学校に改称）初代校長となり、1973年まで務めた。この間、一貫して歯車の研究に打ち込み、1935年トヨタ自動車の国産自動車第１号（試作車）のギアを製作するなど、機械工業、特に自動車工業界に多大な業績を残した。教育界ではヨハン・ハインリヒ・ペスタロッチ（1746–1827）の研究者としても知られている。著書に『日本技術の母胎』（1945）、『歯車の話』（1954）などがある。
　本資料の目録として『成瀬政男資料目録』が作成されている。